カリスマを描いたら能條純一さんの作品以上のものは、あまり見受けられません。
ほとんど説明もなく、ただ存在するだけで、その行動や立ち振る舞いだけで絶大な影響をふりまき、ひたすら周囲が高揚・翻弄される姿。
「哭きの竜」で魅せられて以来、能條さんの作品はいつも注目してしまいます。
- 作者
- 能條純一
- 出版社
- 講談社
- 巻数
- 全3巻完結
- ジャンル
- カリスマ
バイオレンス
アンチヒーロー
劇画タッチなのと、アンチヒーロー的なバイオレンスストーリーですので、万人に好かれるかというと少し疑問があります(^^;)
絵も濃いですが、出てくるキャラクターも濃いですから☆
「カッターを持った悪のカリスマ・翔丸」。カッターナイフで切ることにより相手を「洗礼」、心酔させる能力を持った「悪の天才」翔丸は、ズバ抜けた頭脳と智略をもとに、暴力による日本制覇を狙う。
なぜ日本制覇をねらうのか、カッターで切ったらなぜ相手が心酔するのか…
おそらく、まったく、いっさい説明はなかったかと思います。
人生をゲームと言い切る翔丸だから。というだけで納得してしまうほどの「カリスマ」が描かれています。
「天才」──────。この言葉は、努力すれば手に入る「秀才」という称号とは違った、底知れぬものを感じます。
(中略)
僕は「悪の天才」を描きたかったのです。
能條純一コミック本文より引用
物語は後日談のような、翔丸に関わった人々からの談話を受けるように進みます。
いじめに合い、自宅で自分の頬をカッターで切る翔丸。
全てはここから始まります。
クラスを制し、学校を制し。
広域暴力団と対峙する中、ついに「とりあえず、日本がほしい」とつぶやく翔丸に、思わずゾクりとする興奮を覚えました。
なにせ、「とりあえず」ですからね。(´Д` )ウヒャー
翔丸組はヤワじゃない
コミック本文より引用
凄く癖のある作品ですが、短いですので能條ワールドの一端を感じさせてくれる須玉の作品です。
d(⌒ー⌒) ぜひ!